太りやすいのは遺伝のせい?肥満遺伝子は本当に存在するのか
ダイエットを始めて食事量を抑えているのになかなか痩せなかったり、運動量を増やしているのになかなか痩せない。
自分は遺伝的に太りやすい体質だからと諦めていませんか?
そもそも本当に太りやすい遺伝などあるのでしょうか。
また、太りやすい遺伝を持っているとどのくらい太りやすくなるのでしょうか。
この記事の目次
太りやすいのは遺伝に原因がある
太りやすいということは、要するに代謝が悪いということです。
そしてエネルギー代謝に関わる遺伝子のことを肥満遺伝子と言うのですが、この肥満遺伝子に異常が出ることで太りやすくなるのです。
しかし確かに太りやすい遺伝子もありますが、実は太りにくい遺伝子もあります。
実際に遺伝子の種類を見ていきましょう。
太りやすい遺伝子と太りにくい遺伝子

“太りやすい遺伝子”
・β3アドレナリン受容体(β3AR)
・脱共益タンパク質1(UCP1)
“太りにくい遺伝子”
・β2アドレナリン受容体(β2AR)
太りやすい遺伝子①β3アドレナリン受容体(β3AR)
β3アドレナリン受容体に異常があると中性脂肪の分解が抑制されるたり同じ体格の人と比べて基礎代謝が200kcalほど低下すると言われています。
そして日本人の“3人に1人”がβ3アドレナリン受容体に異常があると推定されています。
太りやすい遺伝子②脱共益タンパク質1(UCP1)
UCP1に異常があると褐色脂肪細胞の働きが低下したり同じ体格の人と比べて基礎代謝が100kcaほど低下すると言われています。
そして日本人の“4人に1人”がUCP1に異常があると推定されています。
※褐色脂肪細胞とは脂肪を分解してエネルギー消費を促進する細胞のこと。
太りにくい遺伝子①β2アドレナリン受容体(β2AR)
β2アドレナリン受容体に異常があると基礎代謝が増加し“太りにくい体質”になります。
たまに食べても太らないという羨ましい体質の持ち主がいますが、そういった人達はこのβ2アドレナリン受容体に異常があるのかもしれません。
太りやすい遺伝子を持っているか検査したければ
ここまで太りやすい遺伝子と太りにくい遺伝子について紹介してきましたが、日本人は意外と太りやすい遺伝子を持っている人が多いことがわかっていただけたと思います。
そこで気なるのが自分は太りやすい遺伝子を持っているのかということですよね。
今は自宅で簡単に遺伝子検査を行うことができます。
自分は太りやすい遺伝子を持っているのかを知ることでダイエットに取り組む姿勢が変わったり、自分の身体をもっと知れる機会になるので気になる方は是非1度お試しください。
これを知るには検査するしかありません。
太りにくくする対策はあるのか

自分は太りやすい遺伝子を持っているからと痩せることを諦めていませんか。
確かに太りやすい遺伝子は存在し、その影響で1日あたり100〜200kcal基礎代謝が落ちてしまうこともわかっています。
しかしこの程度の基礎代謝が落ちただけで太るということは他に原因があるのではないでしょうか。
ここ数十年で肥満人口は急激に増加しています。
しかしこれは太りやすい遺伝子を持った人が増えたのではなく、明らかに生活環境が良くなり、運動しなくなったり、高カロリーの食事をしたりという生活に問題がある場合が多いです。
だから太りにくくする対策として自分の運動習慣や食生活を見直すことが太にくくする近道と言えるでしょう。
まとめ
今回は太りやすい遺伝子が本当に存在するのかということについて紹介させていただきました。
確かに太りやすい遺伝子は存在し、しかも日本人の3人もしくは4人に1人の割合で該当するのです。
太りやすい遺伝子を持っていると1日あたりの基礎代謝が100〜200kcal低下します。
だから確かに同じ体格の人と比較すると確かに太りやすいです。
しかしこの程度の基礎代謝が低下したところで太るのは他に何か原因があるはずです。
運動不足だったり、高カロリーな食事を続けていたり。
太る原因を遺伝のせいにせず、まずは自分の運動習慣や食生活を見直してみましょう。
参考書籍: