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【なぜ?】ケトジェニックダイエットで痩せるメカニズムとは

ケトジェニックダイエット

ケトジェニックダイエットは「糖質を摂らず脂質を摂って痩せる」というダイエットですが、脂質を多く摂ったら逆に太りそう。

そんなイメージを持っていませんか?
確かに脂質は多く摂るとそのまま体脂肪になって蓄積していきそうなイメージですよね。

そこでこの記事ではケトジェニックダイエットで痩せるメカニズムについて説明していきます。

この痩せるメカニズムを知ることで安心してケトジェニックダイエットに臨むことができると思うのでぜひ最後までご覧ください。

【なぜ?】ケトジェニックダイエットで痩せるメカニズムとは

ケトジェニックダイエットは糖質を摂らずに脂質を摂って痩せるダイエットなのですが本当にそんなに脂質を摂って太らないのでしょうか。

また、脳を働かせるエネルギーになる糖質ですが、本当に摂らなくても大丈夫なのでしょうか。

それでは解説していきます。

ケトジェニックダイエットのメカニズム

ケトジェニックダイエットを知っている方であれば“ケトン体”という言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。

実はこのケトン体がケトジェニックダイエットではエネルギーとして活躍してくれるのです。

しかしこのケトン体とはどのようなメカニズムで作られるのでしょうか。

普段の生活でご飯やパンなどを食べる方は糖質を分解してエネルギーを得ており、この回路を「解糖系」と言います。

そして人間の身体には食事で摂った糖質を肝臓や筋肉に「グリコーゲン」として貯蔵しておく事ができるシステムが備わっています。

しかし糖質を摂らない状態を続けると今度は中性脂肪が分解され「脂肪酸」と「グリセロール」になり血液に乗って全身を巡ります。

脂肪酸はそのままでもエネルギーになるため肝臓に向かう途中に約70%は筋肉などで使われます。

残りの脂肪酸は肝臓でエネルギーになるのですが、肝臓ではそんなにエネルギーが要らないため「ケトン体」という物質を作り他の臓器でも使えるようにおすそわけするのです。

いっぽう、グリセロールは肝臓での糖新生によって糖質になります。

このようなメカニズムで中性脂肪を分解してケトン体エネルギーを作り出す「痩せる回路」は成り立つのです。

これらの活動が活発になった状態を「ケトジェニック状態」と言い、
血液中にケトン体がたくさんある状態を「ケトーシス」と言います。

糖質を摂らなくても生きられるメカニズム

「人間のエネルギー源は糖質だ」なんて書かれてあるサイトもありますが、そんなことはありません。

実際に、糖質が人間の身体に必要ではないことは厚生労働省も認めています。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の「炭水化物」の項目を見てみると、


(省略)
消化性炭水化 物の最低必要量はおよそ 100 g/日と推定される。
しかし、これは真に必要な最低量を意味するも のではない
肝臓は必要に応じて、筋肉から放出された乳酸やアミノ酸、脂肪組織から放出された グリセロールを利用して糖新生を行い、血中にぶどう糖を供給するからである。
また、通常、乳児 以外の人はこれよりも相当に多い炭水化物を摂取している。そのため、この量を根拠として推定必 要量を算定する意味も価値も乏しい
(省略)
なお、糖類については、日本人においてその摂取量の測定が困難であることから、基準の設定は 見送った。

参考文献:(厚生労働省:「日本人の食事摂取基準」p144.2015)

簡単に説明すると、
1日に必要な糖質の量は100gと推定されるものの、“糖新生”によって糖が作られるので、この量は真に必要な最低量ではない」

また「推定必要量を算定する意味も価値も乏しい」とまで書いてありますね。

このように、国の指針である厚生労働省も糖質は必ずしも摂らないといけない訳ではないと言っています。

糖を作り出す糖新生のメカニズムとは

糖新生とは漢字の通り「しくみだす」って意味です。

詳しく説明すると筋肉のタンパク質を構成している「アミノ酸」、
脂質を構成している「グリセロール」から肝臓で糖質を合成するシステム。

先ほども説明した通り人間の身体はケトン体ができることにより脂質をエネルギーにする事ができますが、
唯一「赤血球」は糖質しかエネルギーにする事ができません。

計算上1時間あたり脳では4g、赤血球では2gで合計6gの糖質が必要になります。(※脳の活動エネルギーは糖質だけでは無い)

そして肝臓の糖新生によって作り出される糖質の量はちょうど6g
こう考えると、人間の身体ってうまくできていますよね。
これが、糖質を摂らなくても良い理由です。

実は脳も糖質を必要としない


学生時代の試験勉強期間によく甘いものを食べた記憶はありませんか?
その名残か、今でも頭を使う作業をする時は甘いものが欲しくなります。

このように脳を働かせるには甘い糖分が必要になるイメージですが、実際にはどうなのでしょうか。

実は脳には血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア)という関所のような場所があり、異物が侵入できないようになっています。

だから脂質やタンパク質のような分子の大きいものは入れず、ブドウ糖しかその関所を通過できないと考えられてきました。

ここから「脳のエネルギーは糖質だけ」という誤解が生まれたと推測されます。
しかし近年の研究で脳の関所は糖質以外にも通過できる物質があることが発見されました。

そうそれが「ケトン体」です。

そしてケトン体は脳だけではなく身体のさまざまな細胞でエネルギーとして使われる事がわかってきました

だから、もはや「糖に変わるエネルギー」と言っても過言ではないのです。

まとめ

今回はケトジェニックダイエットで痩せるメカニズムについて紹介させていただきました。

ケトジェニックダイエットとは糖質を摂らずに脂質を摂るダイエットですが、質を多く摂ったら太りそう。
そんなイメージを持ってしまいます。

しかし、私たち人間の身体は糖質を摂らないと脂質をケトン体に変えて身体を働かせる回路が成り立ちます。
そして糖新生が起こり、赤血球などを働かせるために必要な糖質は自分の身体で作り出されます。

このようなメカニズムでケトジェニックダイエットは成り立つのです。

初めは不安も多いと思いますが、しっかり脂質を摂って安心してケトジェニックダイエットを行なってください。