最も健康効果が高い地中海式ダイエットとは?
現在世の中には「糖質制限ダイエット」や「脂質制限ダイエット」などのメジャーなダイエットから「朝バナナダイエット」や「りんごダイエット」などのマイナーなダイエットまで様々なダイエットが存在しています。
そしてその中でも最も健康効果が高いとされているのが地中海式ダイエットです。
日本ではまだまだマイナーなダイエットですが、このダイエットはただ痩せるだけではなく健康的な身体になれるとして最も注目を集めています。
この記事では地中海式ダイエットの健康効果について解説していきます。
この記事の目次
地中海式ダイエットのダイエット効果は高い
地中海式ダイエットのダイエット効果については関連記事で軽く紹介していますが、ある研究では最も痩せると言われる糖質制限ダイエットと同等の効果が得られています。
だから地中海式ダイエットのダイエット効果が高いのは当たり前で、それよりもこの食生活を送ることで得られる健康効果が高いのが特徴です。
関連記事:
・「糖質制限」と「脂質制限」どちらが効果的なのか?
地中海式ダイエットは健康効果がかなり高い

地中海式ダイエットは糖質制限ダイエットや脂質制限ダイエットと違ってあまり制限するものはありません。
しかし以下のことに気を付けて行う必要があります。
- 飽和脂肪酸の摂取を少なくし不飽和脂肪酸の摂取を多くする
- 全粒穀物の食べ物を多く摂る
- 適度にお酒を飲む
- 野菜や果物をしっかり摂る
- 適度な運動を行う
などなど、
少し意識を変えればすぐにでもできるようなダイエットであるのが特徴です。
そして、この地中海式ダイエットを行うことでさまざまな病気に対する効果が高いことが確認されています。
- 心血管病
- がん
- 肥満と糖尿病
- アルツハイマー型認知症
この他にもありますが大きくこの4種類の病気に対する効果が高いことが確認されています。
地中海式ダイエットの健康効果①心血管病

今や日本人の死因の第2位が“心臓疾患”で、日本人の心血管病(動脈硬化による心臓病や血管疾患)の患者数は増え続けています。
もともと日本人は大豆製品や好んで食べており、動物性脂肪の摂取量が少なかったため心臓病の患者はあまりいませんでした。
しかし“食の欧米化”で肉を含めた動物性脂肪の摂取量が増え、コレステロールが値が上がり、肥満や糖尿病など心臓病の危険因子を合併する人が増えているのが現状です。
そして心血管病を予防する効果が高いのが地中海式ダイエットです。
2013年に高血圧や脂質異常症、糖尿病など動脈硬化性疾患の治療中で心臓病予備軍の7447人を対象に、
「地中海式ダイエットを行った群」
「脂質制限ダイエットを行った群」
に無作為に分けられ、どちらの群で新規の心臓病の発症が予防できるかを観察しました。(2)
その結果「地中海式ダイエットを行った群」は、「脂質制限ダイエットを行った群」に比べて心臓病の発症が30%も少なく、地中海式ダイエットが心血管病を防ぐ有効性が確認されました。
ではなぜ、地中海式ダイエットは心血管病を予防する効果があったのでしょうか。
それは地中海式ダイエットでは良質な脂質を多く摂るという食生活にヒントがありそうです。
先ほどもお話しした通り、元々日本人は動物性脂肪の摂取量が少なく心血管疾患の人はあまりいませんでした。
そもそも和食自体に脂肪が少ないため総カロリーに占める脂肪摂取比率が10%以下だったのです。
逆に心血管疾患の羅患率が高いアメリカやフィンランドでは、総カロリーに占める脂肪摂取比率が40%で主な脂肪摂取源は肉やバターに含まれる飽和脂肪酸が半分以上を占めていたそうです。
だから摂る脂質を良質なもの(オリーブオイルなど)に変えたことで心血管病を予防する効果があったのでしょう。
地中海式ダイエットの健康効果②がん

日本人の死因の第1位は“がん”で生涯で“男性の2人に1人”、“女性の3人に1人”がんになると言われています。
アメリカのハーバード大学の研究結果によると、がんの発症要因は以下のようになります。
- タバコ…30%
- 食事…30%
- 運動不足…5%
- 運動不足…5%
- 職業…5%
- 遺伝…5%
- ウイルス、細菌…5%
- その他
つまり“がんの専門家”はがんの1/3は喫煙によって1/3は不適切な食事によって発症すると考えているようです。
1997年にWCRF(世界がん研究基金)、AICR(アメリカがん研究財団)の報告によると、
- 野菜や果物などの植物性食品を多く摂る
- 塩分を控える
- 適度なアルコール摂取をする
など食生活の改善によって各種がんの予防効果があると記載しています。
- 口腔、こう頭がん…35〜50%
- 食道がん…50〜75%
- 肺がん…20〜33%
- 胃がん…60〜75%
- 肝臓がん…33〜66%
- 結腸、直腸がん…66〜75%
- 乳がん…33〜55%
このような結果になるのは野菜や果物のさまざまな成分が体内で発生した活性酸素によるDNAを傷つけることを防ぎ、発がん性物質を解読する酵素の活性を高める作用があるからだと考えられています。
だから地中海式ダイエットでは果物や野菜を1日400g以上食べることが推奨されています。
地中海式ダイエットの健康効果③肥満・糖尿病

平成22年の国民健康・栄養調査によると、
日本人の肥満者(BMI25以上)の割合は男性:30%、女性:20%でした。
ちなみにBMI30以上の肥満者は「アメリカ:30%」「日本:3%」とこれを見る限りは“超太っている人”は日本人には少ないように見えます。
しかし、実はアメリカも日本も糖尿病の有病率はほとんど変わらないのです。
なぜなら日本人(アジア人)はアメリカ人(白人)に比べてインスリン分泌能力が低いから。
そして、食べ過ぎると内臓脂肪がたまりやすく糖代謝異常を伴う“メタボリックシンドローム”を起こす原因になるのです。
だから、日本人は特に食事を気をつけなければならないのです。
地中海式ダイエットでは全粒穀物のパンやパスタが推奨されています。
全粒穀物の食物には多くの食物繊維を含んでいる為、GI値が低く過剰にインスリンを分泌することを防ぎ肥満や糖尿病を予防する効果があるのです。
関連記事:
・【ウソ?ホント?】低GI値の食品はダイエットの効果を高めるのか?
地中海式ダイエットの健康効果④アルツハイマー型認知症

2018年の日本人の平均寿命は“男性:81.25歳”、“女性:87.32歳”と過去最高になっりました。
しかし85歳以上の高齢者の半数が認知症にかかっているという報告がされています。
長生きはしたいけど健康的に長生きしたいと誰もが思うのではないでしょうか。認知症は現状根本的な治療法がなく1度発症してしまえば、徐々に進行してしまいます。
だから今のうちに認知症にならないための予防をしなくてはならないのです。
2006年アメリカのニューヨーク市民を対象に行われた4年間に渡る追跡調査では、地中海式ダイエットを忠実に続けた人は認知症の発症率が少なかったという報告がされています。
そして忠実に続けた人は最も忠実ではなかった人に比べて、アルツハイマー型認知症の発症リスクが40%も低かったというのだから驚きです。(3)
まとめ
今回は地中海式ダイエットの健康効果について紹介させていただきました。
今回紹介したように地中海式ダイエットを行うことで痩せるだけではなく様々な健康効果を得ることができます。
そして地中海式ダイエットで健康効果を高めるには以下のことに気を付けた食生活を送りましょう。
- 飽和脂肪酸の摂取を少なくし不飽和脂肪酸の摂取を多くする
- 全粒穀物の食べ物を多く摂る
- 適度にお酒を飲む
- 野菜や果物をしっかり摂る
- 適度な運動を行う
そして地中海式ダイエットについてもっと詳しく知りたい方は今回参考にした書籍を一読することをおすすめします。
ぜひご参考ください。
参考書籍:
参考文献:
(1)Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet
(2)Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet
(3)Mediterranean diet and risk for Alzheimer’s disease.