【論文が証明した】HMBに効果がないことを。でも摂り方次第で変わる
最近テレビCMなどの広告で何かと話題になっているHMB。
「科学的に証明された」などの言葉を使い信頼性を高めているようですが、実はそんなことはありません。
逆に論文でその効果がないことが証明されています。
この記事では論文で明らかになったHMBに効果がない理由について紹介していきます。
【論文が証明した】HMBに効果がないことを。
最近テレビCMなどの広告で話題になっているHMBですが、そもそもHMBとは何者なのでしょうか。
HMBとは
HMB(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)とは、必須アミノ酸の1種であるロイシンの体内における代謝産物です。
よくHMBの広告には「プロテインの20数倍の効果!」と書かれていたりしますがこれはどういうことなのでしょうか。
筋肉を作るにはプロテインなどからタンパク質を摂取することがとても大切になります。
そして特に筋肉を作る上で貢献度の高い成分が「ロイシン」なのです。
ロイシンは筋肉で代謝されるとその約5%が「HMB」に変化します。
要するに筋肉を作る上で貢献度が高い「HMB」だけをサプリメントとして高濃度で摂取すれば、「プロテインなんていらない!」という答えが出てきたのです。
しかし実はHMB単体でそのような効果がないことは論文で明らかになっています。
論文で明らかになったHMB単体を摂っても効果がないこと

そもそもなぜ急にHMBがここまで人気を集めたのか。
実は2003年にアイオワ州立大学で、2001年までに報告された「サプリメントとトレーニング効果に関する」複数の研究結果を分析した結果、
「クレアチン」と「HMB」が最も筋肥大と筋力増強に効果があると発表されたからなのです。
しかしその後、2009年にニュージランド・マッセー大学で2007年までに報告された「HMBとトレーニング効果に関する」9つの研究をもとに筋トレ未経験者135名と筋トレ経験者259名にHMBの効果を分析したところ、
「筋肥大に関しては、筋トレ経験の有無に関係なくHMBの効果はわずか増加する程度」としており、
「筋力増強効果に関しては、筋トレ未経験者のみに認められた」としています。
また、カトリック大学が「トレーニング経験者193名」を解析したところ、
HMBを摂取しても最大挙上重量(1RM)や筋肉量の増加には効果が認められなかったとしています。
これらの結果から現在は「HMBは筋トレ経験者にはほとんど効果がなく、
筋トレ初心者や未経験者には効果がある」としています。
おすすめのHMBはこちらから
・HMBはプロテインと一緒に摂取すべき!おすすめのHMBとは?
HMBとプロテインを同時に摂取した場合の効果は?
HMB単体では筋肥大に効果がないですが、それでもHMBを摂取するメリットはあるのでしょうか?
どうやらそんなこともなさそうです。
実は「HMB+プロテイン」を摂取することによって筋肥大への効果が期待できます。
2014年に行われたマクマスター大学で習慣的に筋トレをしている人を対象にし、
彼らには筋トレ後に以下のそれぞれのプロテインを摂取してもらい実験を行いました。
・ホエイプロテインを6g摂取した群(W6)
・ホエイプロテイン6gに0.75gのロイシンを加えて摂取した群(W6+Low -Leu)
・ホエイプロテインを25g摂取した群(W25)
・ホエイプロテイン6gにBCAAを加えて摂取した群(W6+BCAA)
・ホエイプロテイン6gに5gのロイシンを加えて摂取した群(W6+High-Leu)
それぞれに分けて、摂取後4.5時間が経過したところで筋タンパク質の合成率を計測しました。(1)
その結果ホエイプロテインを25gを摂取した群と少量のホエイプロテインに少量のロイシンを加えた群の筋タンパク質の合成率はあまり高まりませんでした。
しかし少量のホエイプロテインに多量のロイシンを加えることにより、筋タンパク質の合成率を高めることができたのです。

この結果から筋肥大にHMB単体では効果がないが、プロテインと一緒に摂取することで筋タンパク質の合成率を高めることができるのではないかと考えられます。
まとめ
今回はHMBが効果がない理由について紹介していきました。
確かにHMB単体で筋肥大に効果はありませんが、プロテインと一緒に飲むことで筋肥大への効果は高まりそうです。
だからHMBを買う際は「プロテイン+HMB」の物を買うかプロテインを飲むタイミングでHMBを摂るようにすると良いでしょう。
参考書籍: