BCAAとEAAの違いとは?プロテインじゃダメなの?
筋トレ中に飲むワークアウトドリンクとして定番なのがBCAA、EAA、プロテインではないでしょうか。
そしてこれらを筋トレ中に飲むことで血中アミノ酸濃度が上昇し効率よく筋肉をつけることができます。
でもジムに行くと人それぞれ飲んでいるものが違います。
プロテインを飲んでいる人もいればBCAAやEAAのようなものを飲んでいる人まで。
最近はEAAの認知度が上がってきましたが、本当にEAAは効果があるのでしょうか。
この記事では海外で行われた様々な研究を基にBCAA、EAA、プロテインの中で筋トレ中に飲むべきワークアウトドリンクを順位付けしていこうと思います。
BCAAとEAAの違いとは?プロテインじゃダメなの?

実は筋トレ中にワークアウトドリンクとして何を飲むかで筋トレの効果を大きく左右することが様々な研究でわかっています。
要するにワークアウトドリンクを適当に選んでしまうのは勿体ないということ。
折角貴重な時間を使って筋トレをしているのだからできるだけ効率よく筋肉をつけたいですよね。
まずはBCAAとプロテインの効果を比較した研究を見てみましょう。
プロテインと比べてBCAAの効果は?

まず、研究を見る前に簡単にプロテインとBCAAの違いについて説明します。
プロテインとBCAAの違い
名称 | 吸収速度 | |
プロテイン | タンパク質 | 遅い |
BCAA | アミノ酸 | 早い |
私たち人間はタンパク質をアミノ酸に分解して吸収します。
だからプロテインを飲むとアミノ酸に分解するまでに時間がかかるため、血中アミノ酸濃度が高い状態(筋肉が合成しやすい状態)になるまで時間がかかってしまいます。
その点、BCAAを摂った場合はアミノ酸として摂ることができるので分解する手間が省け、血中アミノ酸濃度が高い状態になるまで時間があまりかかりません。
つまりは、
- プロテイン→吸収されるまで2〜3時間かかる
- BCAA→30分程度で吸収される
だから筋トレをする場合はBCAAを飲んだ方が短時間で血中アミノ酸濃度を高く(筋肉がつきやすい状態)できるので効率よく筋肉をつけることができそうです。
でも、ジムではプロテインを飲みながら筋トレをしている人も見かけますよね。
プロテインでも良いならわざわざBCAAを買う必要もないし、安く済むのですが実際どうなのでしょう?
BCAAの効果は偉大だった
2年以上のトレーニング経験がある人を対象に、
- 「14gのBCAAを摂取させた群」
- 28gのホエイプロテインを摂取させた群
- 28gの炭水化物をスポーツドリンクで摂取させた群
に分けて8週間のトレーニングを行わせました。
その後、体重、除脂肪体重、体脂肪、筋力を測定しました。
その結果、
- 体重増加は、BCAA群>ホエイ群>炭水化物群
- 除脂肪体重は、BCAA群>ホエイ群>炭水化物群
- 体脂肪の低下は、BCAA群>ホエイ群>炭水化物群
- 筋力の向上は、BCAA群>ホエイ群>炭水化物群
という結果になり、
全ての項目でBCAA群がホエイ群を上回りました。
これらの結果から筋トレ中はホエイプロテインを単独で摂取するよりも、BCAAを単独で摂取した方が筋肉がつきやすいと言えるでしょう。
では、BCAAとEAAを比較した場合はどうなのでしょう。
BCAAとEAAの違い
BCAAとEAAは必須アミノ酸と言われますがこの両者の大きな違いは、
EAAには必須アミノ酸9種類全て含まれているのに対し、BCAAには3種類しか含まれていないということ。
BCAA(3種類) | ・バリン ・ロイシン ・イソロイシン |
EAA(9種類) | ・バリン ・ロイシン ・イソロイシン ・フェルアラニン ・スレオニン ・ヒスチジン ・リジン ・メチオニン ・トリプトファン |
これだけでは何となくわかりにくいかもしれないので野球を例にしてみます。
- BCAA→必須アミノ酸が3種類→クリーンナップ
- EAA→必須アミノ酸9種類→フルメンバー
BCAAとは必須アミノ酸の中でも特に重要度高い3種類のアミノ酸のことです。
だから野球で例えると「3番・4番・5番」のクリーンナップ的な存在。
ここの3人が活躍してくれないと打線が盛り上がりませんから。
それに対してEAAは必要なアミノ酸が全て揃っているので野球で例えるとフルメンバーですね。
1人でもかけると試合ができなくなります。
なんかこれだけ聞くと「EAAの方が良さそう!」と感じますね。
ちなみに血中アミノ酸濃度の上昇速度はBCAAとEAAは同等です。
では、BCAAとEAAではどちらの方が効果があるのでしょうか。
実際に研究を見てみましょう!
EAAの効果はBCAAを上回りそう
トレーニング経験者を対象に、
- BCAA摂取群
- EAA摂取群
- ロイシンのみ摂取群
- プラセボ群
に分けて、運動中に摂取させ運動後90分経過後、180分経過後のそれぞれの効果について研究しました。


その結果、
筋タンパク質の合成酵素(筋肉をつけるために重要な酵素)である「S6K」の活性がEAAでは1番高くなり、その次にBCAAという結果になりました。
また、筋タンパク質の合成酵素である「Akt」や「mTOR」のレベルも「EAA」の方が高かった。
これらの結果をまとめると以下の通りです。
第1位 | EAA |
第2位 | BCAA |
第3位 | プロテイン |
EAAの目標摂取量は?
「EAAを15g」と「ホエイプロテインを15g」摂取して筋タンパク合成効果(筋肉のつきやすさ)を調べた研究では、圧倒的にEAAの方が高い効果を示しました。
しかし、「7gのEAA」を摂取して筋タンパク合成効果を調べた研究では、
ほとんどその効果が認められませんでした。
ということはただEAAを摂取するだけでは効果が薄いということ。
目安として15g以上のEAAを摂取すると効果を実感できるでしょう。
まとめ
今回は筋トレ中のワークアウトドリンクとして飲まれるEAA、BCAA、プロテインの違いやその効果について説明させていただきました。
今回紹介したさまざまな研究結果から、ワークアウトドリンクとしておすすめなのは「EAA>BCAA>プロテイン」です。
このようにEAAが1番おすすめなのですがBCAAに比べて値段が高いため、その辺はお財布と相談して決めるといいでしょう。
そして1回あたりの摂取量としてBCAAもEAAも15g程度摂取することで効果が得られます。
しかし、あまり少ない量だと効果が薄れてしまう可能性があるのであまりケチらずしっかり摂るようにしましょう。
参考書籍: