お酒を飲んでも顔色変えずいつまでも飲める人もいれば、少しでも飲めば顔が赤くなり気持ち悪くなる人もいます。
だからお酒が弱い人からするとお酒に強い人は羨ましく、お酒に強くなりたいと1度は思ったことがあるのではないでしょうか。
しかしお酒に強いか弱いかは遺伝で決まっています。だからお酒に弱い人が強くなる方法はない。と言いたいところですが、実はそんなこともなさそうです。
不活性型(ND型)の遺伝を引き継いだ人はお酒を飲み続ければ強くなるかもしれません。
お酒に強くなる方法は嘘?強い弱いは遺伝で決まる
顔色変えずにお酒を飲み続けられる人もいれば少しでも飲むと顔が赤くなり気持ち悪くなってしまう人もいます。
ではお酒に強いか弱いかは何が決めているのでしょうか。これを知るにはお酒(アルコール)の代謝の流れを知る必要があります。
お酒(アルコール)はどのように代謝されるのか
アルコール(エタノール)を摂取
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アルコール脱水素酵素の働きで有毒なアセトアルデヒドに分解
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アセトアルデヒド脱水素酵素の働きで無毒な酢酸に分解
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エネルギー
お酒を飲むと体内ではこのような流れで、最終的にはエネルギーとして蓄積されます。
そしてお酒に強いか弱いかを決めるのは、アセトアルデヒドを酢酸に分解する時に必要になるアセトアルデヒト脱水素酵素です。
実はこれには個人差があり、それがお酒に強いか弱いかを決めているのです。
お酒に強いか弱いかの分かれ道アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)
お酒に強いか弱いかをいめるアセトアルデヒド脱水素酵素には3つの型があります。
- ALDH1(個人差なし)
- ALDH2(個人差あり)
- ALDH3(個人差なし)
このようにALDH1とALDH3には個人差はありませんがALDH2は個人差が非常に大きくこれがお酒に「強い」か「弱い」かを決めているのです。
ALDH2の種類とは
そしてこのALDH2は3タイプに分けることができます。
- 活性型(NN型)は、両親から酒に強い遺伝(N型)を引き継いだ人で、自分でも他人からも「酒が強い」と認められたタイプです。
- 不活性型(ND型)は、両親から酒に強い遺伝(N型)と酒に弱い遺伝(D型)を引き継いだ人で、全く酒を飲めないわけではないがそこまで強くはないタイプです。
- 失活性型(DD型)は、両親から酒に弱い遺伝(D型)を引き継いだ人で、酒を飲むとすぐに顔が赤くなり酒が全く飲めないタイプです。
このようにお酒に強いか弱いかは遺伝で決まっています。
そして冒頭でもお話ししましたが不活性型(ND型)の人は「飲み続ければ強くなる」と言えます。
なぜならお酒を飲み続けることによってALDH2が徐々に活性化し、アルコール耐性がアップしていくからです。
ただ気をつけなければならないのは失活性型(DD型)の人です。
お酒を一滴でも飲むと動悸が起こり、全くお酒が飲めないという人がいると思いますが、この人は全くお酒が飲めない遺伝子を引き継いでいるので、飲み続けるどころかお酒を飲むことすら危険です。
本人はもちろんですが、このような人がいたら周りの人は飲まないような配慮をしてあげましょう。
お酒に強いか弱いか知りたい場合
お酒に強いか弱いかは遺伝で決まると紹介しましたが、自分がどの活性タイプなのか知りたければ医療機関で遺伝子検査を受けることができます。
しかし遺伝子検査はその費用は高いのでどうしても気が引けてしまうという方には「アルコールパッチテスト」というものがあります。
遺伝子検査に比べれば正確さは欠けるかもしれませんが、安く手軽にできるので1度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はお酒に強い弱いは遺伝で決まるということについて解説させていただきました。
お酒の強さはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で決まります。
- 活性型(DD型):お酒に強い
- 不活性型(ND型):努力次第でお酒に強くなる
- 失活性型(NN型):お酒に弱い
そしてこれは両親から引き継ぐ遺伝的なものなのでお酒を飲み続けば一概にお酒が強くなるとも言えません。
お酒に強い人もいれば全く飲めない人や、飲み続ければ強くなる人もいるという認識を持っておくと良いでしょう。
参考書籍: