高重量は意味がない!筋トレの新常識がここに。
あなたは「筋肉をつけたい」その一心で必死に高重量に喰らいついて筋トレしていませんか?
確かに筋トレにおいて高重量を扱うことは重要とされていますが、実は重すぎる重量は意味がないかもしれません。
筋トレをして筋肉をつけるには重量だけではなく「総負荷量」を高めるということが重要なのです。
この記事では筋トレで高重量を扱う意味がない理由について解説していきます。
高重量は意味がない!筋トレの新常識がここに。
筋トレをして筋肉をつけるのは高重量を扱うことが大切であることは周知のことかと思いますが、あまりにも重すぎる重量で筋トレをするのはやめたほうがいいかもしれません。
なぜなら最近の研究で筋トレをして筋肉をつけるには重量ではなく総負荷量を高めることが重要であることがわかってきたからです。
重量より大切な「総負荷量」とは?
ここで言う総負荷量とは、以下の式で求めることができます。
「重量×回数×セット数」
簡単に説明すると例えば、50kgでベンチプレスを10回3セットしたとします。
この場合の総負荷量は50×10×3=1500kgになります
また、20kgでベンチプレスを15回5セットした場合も上と同じで総負荷量は20×15×5=1500kgになります。
要するに総負荷量が同じになれば軽い重量を扱っても筋肥大には同等の効果があるということです。
高重量が意味ないなんて、にとってにわかに信じがたいことかと思いますが、これを証明したこんな実験があります。
2010年にカナダのマクマスター大学でトレーニング経験者を2つのグループに分け、1RM70%の強度で、
「1セット行うグループ」
「3セット行うグループ」
にわけて疲労困憊になるまで行いました。
この時の両グループの平均総負荷量は
- 「1セットグループ」で942kg
- 「3セットグループ」で2184kg
その結果、総負荷量の高かった「3セット行うグループ」の方が筋タンパク合率は有意な増加を見せたのです。
=重量が同じだった場合セット数を多く行い、総負荷量を高めることで筋肥大に効果的であるという結果になったのです。
まあこのくらいは当たりあえのような気がしますが次の実験はどうでしょう。
レッグエクステンションを、
「1RM90%の高重量で行うグループ」
「1RM30%の低重量で行うグループ」
に分けて、疲労困憊になるまで行ました。
その結果、高重量を扱った「1RM90%の高重量で行うグループ」では5回程しか上がりませんでしたが、低重量で行った「1RM30%の低重量で行うグループ」では24回上がりました。
そして総負荷量に関しては
- 高重量グループ(平均82kg)では710kg
- 低重量グループ(平均28kg)では1073kg
という結果になり、この研究でもやはり筋トレ後24時間後の筋タンパク質合成率は、総負荷量の高かった「低重量グループ」が「高重量グループ」より有意な増加を見せたのです。

これらの結果から、無理して高重量を扱う意味はなく、低重量の筋トレでも回数やセット数を多くして「総負荷量」を高めることで高重量と同等の筋肥大効果が得られるとしています。
しかしこれはあくまでトレーニング後24時間の「短期的」な効果といえ、長期的に見ても同じ効果があるのか見ていきましょう。
長期的に見ても重すぎる重量は意味がない
短期的には総負荷量を高めることで筋肥大への効果が高まることはわかりましたが長期的に見た場合はどうでしょうか。
2012年にマクマスター大学で10週間に渡りトレーニング未経験者を対象に、
レッグエクステンションを
「1RM80%で行う高重量グループ」
「1RM30%で行う低重量グループ」
に分けて、1日3セットを週3回、疲労困憊になるまで行いました。
その結果、両グループとも、大腿四頭筋の筋肉は増加したものの、
2つのグループ間で筋肉量の有意な差は認められなかったのです。
レッグエクステンションは「単関節トレーニング(1つの関節に負荷をかける)」だったため、ベンチプレス やスクワットなどの「多関節トレーニング(複数の関節に負荷をかける)」場合は違う結果になる可能性があります。
しかし2016年にマクマスター大学で「多関節トレーニング」を行なった場合での研究も行われましたが単関節トレーニングと同様の結果になりました。
つまりは長期的な筋肥大においても高重量を扱う意味はなく、それよりも「総負荷量」を高めることを意識したほうが怪我の心配もなく安全に筋トレができる
ということになります。
まとめ
総負荷量とは、「重量×回数×セット数×可動域」で決まると言われています。
低重量でも、回数を増やしセット数を増やせば、
高重量で行った時と同等の筋肥大効果が得られるとしています。
だから、
扱えない重量で無理してトレーニングを行うくらいなら、
低重量で回数、セット数を増やせば良いと思います。
しかし、重量を増やしていけば、必然的に「総負荷量」も増えるため、
高重量にチャレンジをするなといっているわけではありません。
このエビデンスに基づいた事実を知っていれば、
少し気がラクになるのではないでしょうか。
参考書籍: