映画「ロッキー」の伝説のシーンとして語り継がれているシルヴェスター・スタローンが生卵をコップに入れて一気飲みするシーン。
実は卵はそのくらい筋肉をつける上でも優秀な食品なのです。
しかし最近はコレステロールが高いから1日1個までとか、カロリーが高いから卵白のみを食べるとか、卵黄を捨ててしまっている人が多いように思います。
しかし卵黄にこそ筋肉をつける上で大切な栄養素が含まれているのです。
この記事では筋トレしているなら卵黄を捨てるべきではない理由について解説していきます。
【もったいない】筋トレしてるなら卵黄は捨てるべきではない理由
ご存知の人が多いと思いますが、卵は「卵黄」「卵白」で構成されています。
そして卵黄と卵白には以下のような違いがあります。
- 卵黄:必須アミノ酸すべてが含まれる→高カロリー
- 卵白:タンパク質豊富→低カロリー
そして多くの方は卵白からタンパク質だけを効率よく摂り、卵黄は捨ててしまう。
確かに卵黄は、ほぼ脂質なのでカロリーが高いのですがプロテインと同じように必須アミノ酸が豊富に含まれているのです。
必須アミノ酸9種類全てが摂れるのになぜ卵黄を捨てる?
このグラフは卵1個の必須アミノ酸の含有量です。
ご覧の通り卵黄には必須アミノ酸がバランスよく含まれているのがわかります。
そして筋肉をつける上で1番重要なアミノ酸であるロイシンの含有量が高いのです。
だから「筋トレして筋肉をつけたいのであれば卵黄も食べろ」ということなのです。
また卵黄を捨てるべきではない理由は他にもあります。
実は卵黄を捨てて卵白だけを食べるよりも卵黄を捨てず全卵で食べた方が筋肉への影響も大きかったのです。
卵黄は捨てない方が筋トレの効果も高まる
2017年にトロント大学で筋トレ経験者に対し筋トレ後に、
「卵白のみを摂取するグループ」
「全卵を摂取するグループ」
に分けて、摂取から5時間後の筋タンパク質合成率を計算しました。(1)
その結果、全卵を摂取したグループの方が卵白のみを摂取したグループよりも筋タンパク質合成率が高くなったのです。
つまりは卵黄を捨てて卵白のみを食べるよりも全卵で食べた方が筋トレの効果は高まるのです。
このような結果になった理由は卵黄に含まれるビタミンAの代謝産物である「レチノイン酸」や、脂質の主成分である「ホスファチジン酸」が筋トレ後の筋肥大に貢献したとしています。
また、脂質を構成する脂肪酸の「オメガ3脂肪酸」は筋タンパク質の合成を促進する作用があることも示されています。
だから卵黄に含まれるこれらの成分が筋タンパク質の合成率を引き上げた要因としています。
卵は1日までという神話
これまでの常識で卵は「1日1個まで」と言われていました。
なぜなら卵の卵黄に含まれるコレステロールや脂肪が「心臓病の原因になる」とされていたからです。
しかし、今やそれは昔話です。
最近の研究で以下のことが明らかになっています。
- 卵には心臓病の予防になる「ルテイン」や「ゼアキサンチン」が含まれている
- 卵を食べるとLDLコレステロール(悪玉)は増加するが、HDLコレステロール(善玉)も増加するため、結局両者の割合は変わらないこと。
これらの結果から厚生労働省では、コレステロールの目標量を設定する為の十分な科学的根拠は無いとして今ではコレステロールの目標量の設定は行われてません。
つまりは卵を1日に何個食べても問題ないのです。
まとめ
今回は筋トレしているなら卵黄を捨てるべきではない理由について解説させていただきました。
筋トレして筋肉をつけたいのであれば卵黄を捨てず全卵で食べるようにしましょう。
確かに卵黄は脂質が多く含まれているためカロリーを見れば高くなってしまいますが、その分豊富な栄養素を含んでいるのです。
また、卵は1日に何個食べても問題はありません!
だから筋トレして筋肉をつけたいのであれば卵黄は捨てずに全卵でたくさん食べましょう!
参考文献:(1)Consumption of whole eggs promotes greater stimulation of postexercise muscle protein synthesis than consumption of isonitrogenous amounts of egg whites in young men
(2)日本人の食事摂取基準(2015年版):脂質