筋トレには「ポジティブ動作」と「ネガティブ動作」がありますが、それぞれ発揮できる力に差があることは知っていましたか?
そして意外にもネガティブ動作で1番大きな力を発揮できます。
だからこそネガティブ動作を制するものが筋トレを制する。
今回は筋トレにおけるネガティブ動作の重要性と、そのやり方について紹介していきます。
ネガティブ動作が1番力を発揮できる
これはダンベルカールを行っている様子ですが、ひとえに筋トレをするといっても筋肉は3種類の収縮を行います。
収縮形態 | 動作 |
静止性収縮 (アイソメトリック) | ダンベルを持ってその状態を 維持し続けること |
求心性収縮 (コンセントリック) | ダンベルを持ち上げること (ポジティブ動作) |
遠心性収縮 (エキセントリック) | ダンベルを下ろすこと (ネガティブ動作) |
そしてこの3種類の収縮形態はそれぞれ発揮できる力が違い、以下のような順番で強くなります。
- エキセントリック(ネガティブ動作)
- アイソメトリック(維持)
- コンセントリック(ポジティブ動作)
つまりはダンベルを下ろす動き(ネガティブ動作)の時に筋力を1番発揮でき、ダンベルを持ち上げる動き(ポジティブ動作)の時に筋力を1番発揮できないのです。
だから筋トレを行うときはネガティブまでしっかり行うことで最大限まで追い込むことができ、筋肥大に効率的な筋トレを行うことができるのです。
これは東京大学の実験でも実証されています。
「右腕はポジティブのみ」「左腕はネガティブのみ」でトレーニングを行ったところネガティブのみで行った腕の方が肥大していたという報告があります。
この実験結果が示すようにネガティブ動作をしっかり行うことは筋肥大に効果的と言えそうです。
しかし、とりあえずやれば良いと言うものでもありません。ネガティブにも正しい使い方があります。
筋トレの効果を高めるネガティブ動作の行い方
筋トレで1番力を発揮できるのはネガティブ動作を行っている時。だからネガティブ動作を制するものは筋トレを制する。
では筋トレでネガティブ動作はどのように行えば良いのでしょうか。
ネガティブはコントロールが大事
筋トレでネガティブ動作を行うコツはゆっくりコントロールして行うことです。
そしてネガティブだけでもコントロールできなくなったところでそのセットを終了しましょう。
例えば、ストリクト(反動を使わず)にアームカールをやった場合に6回上げられる重量があったとします。
この場合恐らく、
- 1〜3回目:余裕
- 4〜5回目:きつくなる
- 6回目:粘ってやっと上がる
- 7回目:肘を途中まで曲げることはできても、最後まで上げ切ることはできない
- それ以降:チーティングを使ってネガティブだけを行う
7回目の途中で肘を曲げられたけどそれ以上は上がらない所を「スティッキング・ポイント」と言います。そしてスティッキング・ポイントを超えるために使うのが「チーティング(反動)」です。
チーティングを使ってトップポジションに持っていきネガティブだけを行います。それでもネガティブをコントロールできなくなったところでセットを終了してください。
チーティングはネガティブ動作で効果的
ここで簡単にチーティングの使い方について説明します。
たまにチーティング(反動)を使ってかなりの重量を持ち上げ、すぐ下ろすという筋トレを行なっている人がいますが、これは果たして効果があるのでしょうか?
先ほどもお話しした通り筋力を1番発揮できるのはネガティブ動作の時です。チーティングを使ってトップポジションまで持っていくのは良いとしましょう。
しかし、すぐ下ろすのは間違い。
ネガティブ動作はポジティブ動作以上の力が発揮できるので、その重さをコントロールしながらゆっくり下ろさなければ意味がありません。
だから最初から反動を使うことを前提に筋トレをしてはいけません。
反動を使わなければ上がらないような重量なら、今すぐに重量を落とすべきです。
あくまでもチーティングは“スティッキングポイントを超えるために使うもの”と考えましょう。
ネガティブ動作のまとめ
今回は、筋トレにおけるネガティブ動作の効果と行い方について紹介させていただきました。
実はダンベルを持ち上げるポジティブ動作よりも、ダンベルを下ろすネガティブ動作の方が発揮される力が大きい。
だからダンベルを持ち上げるのがキツくなった時点で止めてしまっては追い込み不足の可能性が高いと言うことです。
しかしネガティブ動作にも注意点があります。それは“オーバーワーク”です。
ネガティブ動作のみを行うとそれだけ負荷が高いため、簡単にオーバーワークに陥りやすいです。
そのため筋トレのバリエーションの1つとして、いつもと違う刺激を与えたい時に行うと良いでしょう。
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